●【希少】『 写真集 鎖塚・常紋トンネル 囚人とタコ労働の記録 』佐藤毅 オホーツク民主史講座 1977 ●

□商品詳細 95ページ
著者：佐藤毅
出版社：オホーツク民主史講座
刊行年：1977/6/5
サイズ: 26.4 cm x 19.3 cm x 1.3 cm

【内容説明】
あとがき

「民衆史掘りおこし運動」を撮りはじめて、六年になります。
よく、何故「がい骨」や「名もない人達」を撮るのかと、人に聞かれます。自分では、「誰れかがやらなければならない仕事をたまたま自分がやっているだ」と思ってますが、撮る中で、心に沈澱し、凝結しつつあることは、①被写体としてつきぬ深さと大きさがある。②民衆の心のやさしさと、エネルギーを知ことができる。 ③歴史の一つとして視覚に訴えるものを資料として残す必要がある。④学び、自己変革していくことにより、人間として成長できる、などです。
緋牛内の「鎖塚」や瀬戸瀬の「山神」常紋の「歓和地蔵」などには、いつ行ってみても供物が手向けられています。「聞きとり」の中では、タコ部屋の棒頭に手むかった老婆や、逃げて来た人をかくまった農家の人の話がでてきます。この人達の心ねを知ったとき、私は、どうしても、シャッターを押すことを止める訳にはいきません。写真の原点である「記録」と言うことと、その「記録」の中で、人々の鑑賞に耐えることのできる多少は「芸術的？」な写真を、と思いつつ撮って来たが、一向に進歩せず、悩みました。この、私の人知れぬ焦燥とはうらはらに、撮影量だけは増え続けました。
「掘りおこし運動」を撮るには、運動そのものの傍観者であってはだめで、自分が、組織者の一人にならなければ本ものを撮れないことを知り、「オホーツク民衆史講座」の実行委員の一人に加えてもらいました。それ以来、少しは自信をもってシャッターを押せるようになった気がしますが、まだまだ思うような写真はできません。
そんな模索の中で、この度、写真集「鎖塚・常紋トンネル」が陽の目を見ることになりました。これは、私の写真集ではありません。休日に、手弁当で掘りおこしに参加し、汗を流して掘り続けた人達の力で出来たものです。たまたま、私がまとめたにすぎません。内容は未熟で、被写体となった人達の心を伝えることができたかどうか、全く自信がなく、不安な気持ちにさいなまれています。どうぞ不備な点は、御叱責下さい。
この小冊子の上梓に際し、解説を書いて下さった小池喜孝先生のはかり知れない御教示と御厚情、「オホーツク民衆史講座」の人々のあたたかい声援に対し深甚な感謝を申し上げます。
最後に、休日を撮影・フィルム現像・暗室作業などにあて、写真中心の生活に終始している私に心良く協力してくれた、妻をはじめ二人の息子に一言「ありがとう」と言わせてもらいます。

一九七七・四・三〇 佐藤


・目次

表紙題字は沙門観堂書（久保観堂氏は北見市相内町本勝寺住職）

1、囚人労働
集治監
二見が岡
鎖塚
山神
北見峠

2、常紋のタコ労働
常紋トンネル
遺骨掘りおこし
集会
聞きとり
発掘
慰霊


関連年表
一. 囚人労働・タコ労働の歴史
二. 囚人・タコ労働の歴史掘りおこし運動史

掘りおこし運動の記録 小池喜考

写真データー
あとがき


【状態】
表紙等に薄スレ、ヤケ、シミ・ヤブレ・ヨゴレ（共に表紙カバー）等のイタミが多少ありますが、問題なく見れます。
古本としては多少の経年劣化（ヤケ・シミ等）はありますが、発行年を考えると許容できる範囲だと思います。


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